子育て・教育

幼稚園の先生からママへ

【先生からママへ】 子どもの遊びを大切に

2017年02月03日(金)

宮城県私立幼稚園連合会・理事 認定こども園 福聚幼稚園・ふくじゅ保育園(仙台市)      副園長・関澄子先生

 私どもの幼稚園は曹洞宗立で仏教系の、幼保連携型認定こども園です。子どもたちは登園すると、毎朝、「のの様」に小さな手を合わせてお祈りしてから1日の活動をスタートさせます。子どもたちが唱えるのは、「のの様を拝み、やさしく、元気で、明るく立派な良い子になります」という言葉です。子どもたちの唱えるこの言葉の中で、「やさしく」とは? 「元気で」とは? 「明るく」とは? そう考えるとき、子どもたちの1日の生活すべてがこれらの言葉に凝縮されているのではないかと思います。

 さて、登園後の子どもたちは、ひと通り自分の身の回りの整理が終わると、すぐに気の合う仲間同士で多種多様な遊びに興じ、楽しんでいます。日々の遊びの中でのさまざまな体験を通して、子どもたちは自ら考え、自ら工夫して行動することを身に付けていきます。また、そこから体得したことを遊びの中に取り入れたりもしています。そうした中で、互いに我慢して譲り合ったり、試してみたり失敗したりして、試行錯誤を繰り返しながら、いろいろなことを学習しています。まさに、子どもたちにとっては、遊びそのものが「学習の場」となっているのです。

 しかし、最近の子どもたちを見ると、我慢しようとしたり、自分の意見と相手の意見の違いから妥協点を見いだそうとしたり、また、物事に粘り強く取り組もうとする力(OECD※が提唱する「非認知能力」や「社会情動的スキル」と言われる力)が弱くなってきたように感じられて仕方がありません。 
 私たちが子どもたちにぜひ備えさせたいと考えてきたこうした力は,ある調査の結果をひも解くと、やがて大人になって社会で活躍し、安定した生活を送ることができるかどうかという観点から、「学力」以上に、子どもたちの将来を形づくる上で重要な力になることが明らかになり、注目されるようになってきました。

 子どもたちの遊びは、こうした力を養う素晴らしい学習の場です。遊びの中に、(1)自分の思いを言葉で相手に伝えたり、相手の立場を理解して互いに譲り合ったり認め合ったり、場面や情景を言葉で表現したりできるようになるための要素が潜在し、(2)子どもたち自身が自己の非認知能力を高めるためのアイテムがいたるところに転がっています。子どもたちは遊びを通して、その中で繰り広げられる人との関わりから、自分自身の感情を豊かにしたり表現力を高めたりしていくことができるのです。

 そのような子どもたちの遊びが、学びの場としてより豊かなものになるように、子どもの心に寄り添いながら温かく見守っていくことが、私たち大人の責務ではないでしょうか。子どもたち一人一人が「生きる力」をはぐくみ、未来を夢見て大きくはばたいていけるように、大切に育てていきましょう。
※経済協力開発機構

幼稚園児とママの情報誌「あんふぁん」東北版・2017年3月号に掲載