子育て・教育

幼稚園の先生からママへ

【先生からママへ】 かけがえのない、今この時を大切に

2017年05月12日(金)

青森県私立幼稚園連合会・理事 みどり幼稚園(八戸市)園長・正部家朱美先生

 ずいぶん前になりますが、「大草原の小さな家」というアメリカのテレビドラマを、私は毎週楽しみに見ておりました。開拓時代のアメリカで過ごすインガルス家の物語は、厳しい自然との闘い、人々の関わりの中で起きるさまざまな事件にまつわる、友情や家族愛が描かれていました。ドラマの主人公のローラと姉のメアリーとのやりとりは、私も姉妹の中で育ったせいか、その気持ちが手に取るように分かり、共感することが多くありました。

 また、このドラマではよく食事の場面が映し出されていました。面白いと思ったのは、両親が食卓を囲んで子どもたちのさまざまな異変に気づき、その後のドラマの新たな始まりや展開につながることが度々あったことです。

 自分自身の子育てを振り返ってみると、息子が小学校・高学年ぐらいの時だったでしょうか、食事の最中に「家族っていいね」とつぶやいたことがあったのです。その時まだまだ親として未熟だった私は、その意味を深くおもんばかることができず、言葉だけがうれしく心に残っていました。けれども今思えば、息子は学校で何か大変な思いをし、やっと心を落ち着かせることができたのが、家族との食事の時間だったのかもしれません。

 また、インガルス家のお母さんは、働き者で気丈で愛情深い人でした。その反面、負けず嫌いで強情なところもありましたが、そうした部分も全部ひっくるめて、当時の私はこのお母さんに好感を抱きました。「人はみんな完璧ではないんだ。誰もがそのままの自分を受け入れて努力しているんだ」と思えたからです。子育ても、悩んだり失敗したりしながら、親も子も成長していくのかもしれませんね。

 もし、今、私が幼児期の子育て時代に戻れるのでしたら、わが子を毎日、思い切り抱きしめたいです。あの頃、もっと照れずに大げさに抱きしめて、「そのままのあなたが大好き!」と伝えたかったと思うからです。
 今まさに、かけがえのないその瞬間にいる皆さんは、どうか、お子さんをよく見つめ、大らかな気持ちで子育てをしてください。「すべては、うまくいく」。そう思って、お子さんを見守ってほしいと思います。
 
【幼稚園児とママの情報誌「あんふぁん」東北版・2017年 6月号に掲載】